こんにちは。駆け出しエンジニアのわっしーです。
マレスカ率いる新生マンチェスター・シティが、コミュニティシールドでアーセナルに0-3で敗れました。
スコアだけを見れば完敗です。
試合内容を見ても、気になるところはいくつもありました。
- 攻撃では、WGの突破力への依存が大きいこと
- 守備では、押し込まれた際に守備ラインが崩れ、簡単にチャンスを作られてしまうこと
「このままで大丈夫なのか」と不安になる内容だったと思います。
ただ、ここで一つ考えたいことがあります。
そもそも、今シーズンのシティにどこまで求めるべきなのでしょうか。
監督が代わったばかりのチームに、いきなりプレミアリーグ優勝を求めるのは少し酷です。
今回はプレシーズンから見えた課題を整理しながら、マレスカシティの現在地と、今シーズンどこまで期待できるのかを考えてみます。
- 1. 今シーズン、マレスカに何を求めるのか
- 2. チームを強くする3つの要素
- 3. 選手の質は、本当に足りないのか
- 4. WG頼みの攻撃は、本当に悪いのか
- 5. 本当に怖いのは、押し込まれたときの守備
- 6. 戦術が浸透していないのは当たり前
- 7. 今すぐ直すべきは、守備だけ
- 8. ただし、再びプレミアを支配するなら
1. 今シーズン、マレスカに何を求めるのか
まず、シティ経営陣が考えている今シーズンの目標を推定します。
僕は大きく2つあると考えています。
1つ目が、CL出場権の獲得。
そして、
2つ目が、ボールを支配する「シティのサッカー」を継続すること。
もちろんシティである以上、優勝を目指してほしい気持ちはあります。
ただ、ペップからマレスカへ監督が代わった最初のシーズンです。
戦術も変われば、選手に求められる役割も変わります。
そんな状況で「優勝できなければ失敗」とするのは、さすがにハードルが高いでしょう。
一方、現在の選手層を考えれば、CL圏まで逃してしまうのは許容しづらい。
また、順位だけを確保できれば何でもいいわけでもありません。
ペップ時代に築いた、ボールを保持して相手を押し込み、試合そのものを支配するサッカー。
これもシティが継続していくべきものだと思っています。
つまり今シーズンは、
「CL圏を確保しながら、シティらしいサッカーを次の監督へ引き継ぐ」
ことが最低限の成功ラインではないでしょうか。
2. チームを強くする3つの要素
では、この2つの目標を達成するために何が必要なのでしょうか。
監督がチームを強くする要素を大きく分けると、僕は次の3つだと考えています。
選手の質、戦術の質、戦術の浸透度です。
どれだけ優れた戦術を考えても、それを実現できる選手がいなければ成立しません。
逆に優れた選手を集めても、チームとしてどう戦うのかが整理されていなければ、安定して勝つことは難しい。
そして、選手と戦術が揃っていても、それを選手たちが理解し、ピッチ上で実行できなければ意味がありません。
プレシーズン4試合とコミュニティシールドを見る限り、この3つすべてが「プレミア優勝」という基準ではまだ足りていないと思います。
しかし、今シーズンの目標をCL圏と考えるなら、見え方は変わってきます。
3. 選手の質は、本当に足りないのか
まず選手の質です。
プレミア優勝を目指すのであれば、現在のメンバーには不安があります。
特に中盤です。
全盛期のシティは、相手が誰であろうと中盤で優位に立ち、ボールを保持しながらゲームをコントロールできました。
今のチームが同じことをできるかと言われれば、疑問が残ります。
ただし、CL圏が目標なら話は別です。
現在のシティの選手の質が、プレミアリーグで4位以内を狙えないほど低いとは思えません。
つまり、今シーズンについては、
「選手の質が足りないから勝てない」
という言い訳はできません。
では、マレスカが解決すべきなのは何なのでしょうか。
次に、戦術について考えていきます。
4. WG頼みの攻撃は、本当に悪いのか
現在の攻撃で最も気になるのは、WGへの依存です。
相手を押し込んだ後、最後はWGにボールを渡し、1対1で突破してもらう。
もちろん実際の攻撃はそこまで単純ではありません。
ただ、最後の局面を個人の突破力に頼っている印象は強くあります。
プレミア優勝を目指すチームの攻撃として考えると、少し物足りません。
WGの調子が悪ければ攻撃全体が停滞する可能性がありますし、相手には簡単に1対1を作らせてもらえないこともあります。
ただ、ここでも今シーズンの目標に立ち返ってみます。
CL圏を獲得するために最も重要なのは、アーセナルのような優勝候補を毎回圧倒することではありません。
まず必要なのは、格下相手に着実に勝ち点3を取ることです。
シティがボールを保持して相手を押し込み、WGに何度も1対1を仕掛けさせる。
相手との選手の質に差があるのであれば、それだけでも十分に得点は生まれるでしょう。
そう考えると、現在のWG頼みの攻撃は、
「優勝するための攻撃としては物足りないが、CL圏を取るための攻撃としては成立する」
のではないでしょうか。
少なくとも、今すぐ大幅に作り直さなければならないほどの問題ではないと思います。
5. 本当に怖いのは、押し込まれたときの守備
一方で、早急に改善してほしいのが守備です。
特に気になるのが、相手に押し込まれて撤退守備になったときです。
コミュニティシールドでも、守備ラインが揃わず、相手の選手を簡単にフリーにしてしまい、結果として3失点しています。
前からプレスをかけてボールを奪えている間はいい。
問題は、そのプレスを突破された後です。
攻撃のWG依存とは違い、こちらは相手のレベルにかかわらず失点につながります。
格下相手でも、90分間ずっと押し込み続けられるわけではありません。
数少ない相手の攻撃を簡単に失点へつなげてしまえば、取りこぼしは増えていきます。
CL圏を目指す上で、こちらの方がよほど危険です。
ただし、救いもあります。
昨シーズンのシティは、撤退守備になった瞬間に崩壊するチームではありませんでした。
つまり、マレスカが全く新しい守備戦術をゼロから作る必要はないと思っています。
極端に言えば、
昨シーズンできていた守備に戻すだけでもいい。
マレスカ独自の守備を作り上げるのは、その後でも構いません。
6. 戦術が浸透していないのは当たり前
もう一つ、プレシーズンを見て気になるのが戦術の浸透度です。
パス回しが噛み合わない。
プレスが連動しない。
選手同士の立ち位置が微妙にずれる。
こうした場面はまだ多くあります。
ただ、ここについてはあまり心配していません。
というより、プレシーズンの段階で新監督に完成度まで求めるのは酷でしょう。
ペップのサッカーですら、一朝一夕で完成したわけではありません。
新しい監督が入り、新しい立ち位置、新しいボールの動かし方、新しいプレスを選手たちに覚えさせている途中です。
ここは時間が解決してくれると信じたいところです。
だからこそ、現在見えている問題をすべて同じように扱うべきではありません。
WGに依存した攻撃は、今シーズンの目標を考えれば許容できる。
パス回しやプレスの連動不足は、時間を与えていい。
しかし、撤退守備の崩れだけは失点に直結するため、すぐに改善する必要がある。
そう整理すると、マレスカが今すぐ解決しなければならない問題は、意外と少ないのではないでしょうか。
7. 今すぐ直すべきは、守備だけ
プレシーズンを見る限り、マレスカシティはまだ完成には程遠いチームです。
プレミア優勝を基準に考えれば、選手の質も、攻撃戦術も、戦術の浸透度も足りません。
ただし、今シーズンの目標を、
CL圏の獲得と「シティのサッカー」の継続
と考えるなら、評価は大きく変わります。
選手の質は十分。
WGを生かした攻撃も、格下から勝ち点を積み上げるには十分な武器になる。
ボールを保持しようとする方向性も見えている。
戦術の細かな連携は、これから時間をかけて改善していけばいい。
そう考えると、マレスカが今すぐやらなければならないことは、
押し込まれたときの守備を整理すること。
実はこれだけです。
ここさえ安定すれば、今シーズン求められる最低限の目標は十分に達成できます。
派手な攻撃だけではなく、守備が機能するか否かを意識して試合をみると、マレスカシティへの安心感が得られるかもしれません。
8. ただし、再びプレミアを支配するなら
もちろん、これはあくまで今シーズンの話です。
シティが最終的に目指す場所は、CL圏ではありません。
再びプレミアリーグで優勝し、ヨーロッパでも頂点を争うチームになることです。
そこまで考えると、現在のチームにはまだ大きな伸び代があります。
一つの方法は、選手の質をさらに高めること。
特に中盤に圧倒的な選手を揃え、プレミアのほぼすべての相手に質で優位に立てるチームを作る。
そうなれば、現在のようなWGを中心とした比較的シンプルな攻撃でも、相手を押し込み続けることができます。
もう一つは、戦術そのものを進化させること。
同格相手にもWGの個人能力だけに頼らず崩せる攻撃。
そして、前からのプレスを突破されても簡単には崩れない守備。
これらを整備できれば、選手個人の能力差だけに依存せず、アーセナルのような相手にも戦術で優位に立てるようになります。
もちろん、本当にプレミアやCLの優勝を狙うのであれば、おそらく最終的には両方必要でしょう。
ただ、それは今すぐ完成させるべきものではありません。
今シーズン、マレスカに求めたいのは完成ではない。
まずはCL圏を確保する。
同時に、ボールを支配するシティらしいサッカーを残す。
そして、その過程で攻撃と守備を少しずつ進化させていく。
0-3という結果だけを見ると、不安になるコミュニティシールドでした。
でも、現在地と目標を分けて考えてみると、悲観する必要はないのかもしれません。
むしろ、直すべきところが明確に見えていることこそ、今のマレスカシティに残された伸び代なのだと思います。